《 赤坂ACTシアター 》

2009年7月 4日 (土)

『星の大地に降る涙』 地球ゴージャスプロデュース公演Vol.10

 地球ゴージャスの公演『星の大地に降る涙』を観てきました。
 なかなか、面白かったです。カーテンコールで、三浦春馬が喋っていましたが、『クラウディア』に続く、「反戦2部作」になるのだそうです。『クラウディア』は再演でしか見ていませんが、『クラウディア』と較べると、『クラウディア』のメッセージ性が薄まって、今回の『星の大地に降る涙』は、より娯楽志向になっていて、エンタテイメントとしての完成度が高くなっているように感じます。『クラウディア』は敵味方の両面から描かれていたものが、『星の大地に降る涙』は、侵略される側、略奪される側からの視点で通されていて、その分整理が付いているように思いました。
 1幕冒頭、仮面をつけた十数人の「兵士」たちが、銀色の盾を持ち、杖のようなものを床に打ちつけてリズムを取りながら息の合った動きを見せます。その兵士たちの持つ銀色の盾は、往年の機動隊の持っていたジュラルミンの盾をほうふつとさせました。かつての1960年代の学生運動の「敵」を連想させました。
 寺脇康文は1962年2月生まれということで学年でいえば私と同じ学年、岸谷五朗は1964年生まれですので、学生運動については私と同様、自分より上の年代の起こした運動で、子供の視線からの体験しかないと思うのですが、あの機動隊のジュラルミン盾のような盾は誰のアイディアによるものなのか興味深いです。
 戦争で幼い子供たちも年老いた老人たちもいなくなった共同体。映画『タイムマシン』の未来社会を思い出しました。映画『タイムマシン』の未来社会では、怪物の種族が、人間を襲い連れ去ってしまうため、若い人間しか共同体には残っていないという社会を描いていました。そのような方向へ話が進むのかな、と一時、構えて観ていましたが、予想とは違った方向へとストーリーは進みました。
 文化の違いにより、人間の行為も意味が変わってくる、そのことが異民族の理解を妨げるということを言いたかったのでしょうか。次のようなエピソードが出てきます。舞台となる共同体「タバラ」という民族では、キスが恋愛とか性愛の意味を持たず、同性に対しても異性にたいしても相手の傷をいやす行為としておこなわれます。海から漂着した二人の「倭人」、「シャチ」と岸谷五郎演じる「トド」は、そのキスを観て戸惑います。
 これで思い出したのが昔読んだ星新一のショートショートです。地球外の星にたどり着いた宇宙飛行士が、異星人に友好の情を示すためにキスの挨拶をします。すると、その星では新しい文化としてキスの挨拶が流行します。しばらくして、食事会に招かれた地球からの宇宙飛行士は、食事開始とともに異星人が尻をめくり上げて食べ物を尻に運ぶのを見て驚きます。それでは、口だと思って重ねていた唇はいったい……? というところで、そのショートショートは終わるのですが。そんな物語を舞台を観ながら思い出していました。
 性愛の作法は、文化により異なり、その「コード」を知っている者のみが、「性愛の情」を読み取ることが出来て、「コード」を知らないものにはわけがわからない、ということもあるのかもしれません。
 いつの時代のどの場所の出来事か特定されないで進んできた物語が、終盤になって、明治維新前の官軍と幕府軍の戦いであることがわかります。そして、それまで記憶を失っていた「シャチ」と「トド」は、敵味方であったことも、2人は思い出してしまいます。
 大団円では、皆がそれぞれの属する集団のために殺し合うことになり、「トド」岸谷五郎も「ザージャ」寺脇康文も殺され死んでゆきます。涙を誘う場面でした。上演時間


 三浦春馬は初舞台だったようですが、堂々としていて、存在感もあり好演していました。木村佳乃は、出産のシーンの熱演が印象に残りました。歌も決してひどくは無く、これからさらにまた別のミュージカルに出演されることを期待します。2007年から「小堺クンのおすましでSHOW」に出ている伊藤有希が出ていました。芝居の間は気が付かなかったのですが、最後のカーテンコールで伊藤有希を見つけました。
 上演時間は1幕85分、休憩25分、2幕65分で全部で170分(=2時間50分)でした。
出演
木村佳乃三浦春馬音尾琢真岸谷五郎寺脇康文 
長谷部優岡千絵原田薫藤林美沙小野真一SHUN
佐藤浩之熱海将人那須幸蔵杉本崇長内正樹伊藤俊彦
向野章太郎松永一哉平間壮一今野直美伊藤有希柳橋さやか
半澤友美香月あや折井理子小林由佳藤井聖子筑紫寿楽
石橋拓道 

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2008年10月19日 (日)

『CHICAGO』 米倉涼子 和央ようか 河村隆一 赤坂ACTシアター

Dscn4388 赤坂ACTシアターでミュージカル『CHICAGO』を観てきました。
 レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼダ=ジョーンズ、リチャード・ギアで映画化された時に、映画版を見ました。と言っても映画館には足を運んだわけではなくて、DVDの発売を待ち構えて発売と同時に買って、見たのですが。映画版の、リアルな世界と空想の舞台の世界を行き来する演出は斬新で、舞台版のオリジナルのミュージカルは、いったいどんな風になっているのだろうと興味を持っていました。
 今回、日本人キャストによる上演があると知り、迷わずチケットを購入しました。


『CHICAGO』プログラム・ケース アンサンブルのスタイルの良さと、ダンスの格好良さが抜群です。女性のスタイルの良さは言うまでもないですが、男性のひきしまった筋肉美も格好良いです。フォッシースタイルというダンスだそうですが、動きを抑えたダンスもまた趣があるなぁと思いました。
 主役、米倉涼子も、スタイル抜群です。さすが「女優さん」です。演技が文句なしであるのはもちろん、歌もダンスも頑張っていました。
 映画版のレニー・セルウィガーが演じたロキシー・ハートに比べると、ちょっと馬鹿さ加減が足りない感じがしました。映画版のロキシー・ハートは、少しおバカだけれど、かわいい女という風に感じましたが、米倉涼子のテレビでのイメージが残っていて、米倉演じるロキシー・ハートは「ホントは私は賢いのよ」という雰囲気を感じてしまいました。
 和央ようかは、この舞台で初めて知りました。宝塚の男役のトップスターだった女優さんだそうです。そのことを知って舞台を見ていると、歌が宝塚の男役風の歌い方が随所に現れていました。
 河村隆一は、歌手だけに歌は上手ですが、ミュージカルの歌としては表情に乏しいのではないかと思いました。キャラクターもあまり役作りがされていない感じで、素の河村隆一なのではないかと思ってしまうようなところがありました。正義や真実よりも金や名声が大事というダーティーな部分が、あんまり際立っていませんでした。もっとギラギラとあくどい感じが出たらよかったと思いますが、どうでしょう。
 大澄賢也は、一幕終わってどこに出ていたかわかりませんでした。二幕になってやっとロキシーに殺されたフレッド・ケイスリーが大澄賢也だったことがわかりました。気が付いてから注目してみると、さすがに大澄賢也のダンスは素晴らしかったです。
 看守のママ・モートンを演じた田中利花は、映画版のママ・モートンほどあくどいキャラクターではなかったのですが、あとになってプログラムを読んでいたら、そのキャラクターは演出家の意図したものだったようです。存在感のあるキャラクターであったことには違いがありません。
米倉涼子和央ようか
 プログラムは2500円。4分冊でケースに入っています。ケースのデザインが2種類あって、中身は同じだということでしたので、私は上の写真の黒地に赤文字のケースに入ったプログラムを買いました。もう一種類の方は赤地に黒文字です。プログラムの4分冊の構成は、米倉涼子、和央ようか、河村隆一の紹介が、各1冊づつの別冊になっていて、通常の物語や解説などと3人以外のその他の出演者の紹介などが載っているプログラムと分かれています。
河村隆一プログラム
 その他、グッズもいろいろなものが売っていましたが、私はエコバッグ1000円を買ってしまいました。(いつ使うんでしょう?!)
『CHICAGO』チケット 今日の席は2階席。右側のブロック。D列なので前から4列目です。まぁ、観難くはなかったのですが、役者の表情はオペラグラスを見ないとよくわからないぐらいの距離でした。もう少し近くから観たかったです。残念。
出演
ロキシー・ハート米倉涼子ヴェルマ・ケリー和央ようか
ビリー・フリン河村隆一看守ママ・モートン田中利花
フレッド・ケイスリー大澄賢也エイモス・ハート金澤博
メアリー・サンシャインH.Masuyamaフォガーティ巡査長/判事中尾和彦
陪審員黒須洋壬ハリソン坂本まさる
アーロン大谷健ハリー神谷直樹
廷吏坂元宏旬スウィング那須幸蔵
スウィング仙名立宗ごんどうけん
リズ森実友紀アニー原田薫
ジューン濱中優美ハニャック白木原忍
モナ宮菜穂子ゴー・トゥ・ヘル・キティ杵鞭麻衣
スウィング石塚智子スウィング鴨志田加奈

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