『屋根の上のヴァイオリン弾き』 市村正親 鳳蘭 日生劇場
市村正親がテヴィエを、鳳蘭がゴールデを演じた『屋根の上のヴァイオリン弾き』を、10月10日のマチネで観てきました。名優そろいのすばらしい舞台でした。
抜群に光っていたのは、もちろん主役の市村正親。女ばかりの家族の中でひとり男として一家を支えるために奮闘しているすばらしい父親を好演していました。観客を大いに笑わせ、また別の場面では観客の胸をじんと熱くさせる演技は、市村正親の演技のすばらしさを見せつけていました。
先日のミュージカル『COCO』では主役のシャネルを演じていた鳳蘭。亭主を尻に敷くかかあ殿下を、魅力的に演じていました。
5人姉妹の長女は、 貴城けい。娘から結婚を経て母親になる女性の変化を、とても自然に巧みに演じ分けていて感心しました。こうゆう演技の基礎が出来ているのが、宝塚出身者の強みなのかなぁと想像しました。
笹本玲奈が演じた次女は、笹本玲奈にとてもぴったりの役だったと思いました。貧乏インテリの革命家の扇動に乗って、「しきたり」で禁じられていた結婚式での男女のダンスを、最初に禁を破って行動を起こして革命家と踊りを始める勇気ある女性像は、笹本玲奈にとても合っていると思います。貧乏革命家と恋に落ち、家族と別れ遠いシベリアで官憲につかまった恋人の元へ行く場面では、涙を誘いました。
三女チャヴァを演じた平田愛咲。公演プログラムの紹介によれば、この舞台がプロとしての初舞台とのこと。初舞台とは思えないほど、堂々と、そしてのびのびと演じていました。将来有望な、この先スターになるに間違いない女優でしょう。
5人姉妹が仲良く話をしている場面では、とても微笑ましく、自分にもこんな娘たちが居たら幸せだろうなぁと感じました。その娘たちが、ひとり、またひとりと家族を離れてゆくテヴィエの哀しみを思えば、涙をおさえきれませんでした。
舞台の上の物語だけでは、なぜユダヤ人がロシア人に迫害されているのが良く分かりませんでした。結婚式にやってきて、理由も無く狼藉をはたらくのがなぜなのか良く分かりません。言いがかりにも、それなりの屁理屈でも何でも理由があると思うのですが……。
東宝ナビザーブの先行予約でチケットを取ったのですが、なんと席位置が、最前列。オーケストラが舞台の奥に配置されていてオーケストラピットを使わない舞台だったので、XA列でした。最前列ですが、左端の2席。横から眺めるようになって観にくいのではないかと、劇場に着いて席に座るまで心配していました。しかし、舞台が始まると、横からの観にくさはほとんど無く、それ以上に間近で舞台上の役者を観ることの出来るメリットのほうが大きかったです。
東宝ミュージカルでお馴染みのアンサンブル俳優の方々も良く見えて、プリンシパル俳優の演技だけでなく、舞台の隅々まで良く見えたように思いました。
その中でも村井麻友美。先日テレビを見ていたら2時間ドラマに出ていて驚いたのですが、その村井麻由美が舞台に出てくると見逃しませんでした。2幕終わりの方で、男児の役で出てきたときは、思わず顔がほころびました。
ヴァイオリン弾きを演じた日比野啓一もとても適役に思いました。随所随所に出てきてヴァイオリンを愉快そうに弾くヴァイオリン弾きは、とても効果的に現れ、演技が光っていました。
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