《 青山劇場 》

2008年2月16日 (土)

『ファントム』 大沢たかお 青山劇場

『ファントム』 大沢たかお 青山劇場 大沢たかお主演、ミュージカル『ファントム』を青山劇場で13時からのマチネで観てきました。


 前回、青山劇場に来たのは『ウーマン・イン・ホワイト』。その時と同様に東急東横店でランチを食べてから会場にやってきました。会場に着いて開演20分前。女性トイレの前はすでに長い列が出来ていました。そんなロビーをアコーディオンを弾きながら歩いている扮装した役者がいました。気がつくと、その役者だけではなく、あちこちで舞台衣装に身を包んだアンサンブルの役者たちが、舞台の役になりきって歩き回っていました。座席に座り開演を待つ観客に話しかける役者もいれば、座席に座る観客の似顔絵を描いて見せる役者もいました。舞台の上の芝居が始まる前から観客は19世紀のパリのオペラ座の席にいるかのような雰囲気がつくられます。なかなか面白い演出だと思いました。
プログラム アンドリュー・ロイド=ウェーバーの「オペラ座の怪人」とは別物だとは分かってはいるものの、ついつい「オペラ座の怪人」のシーンが脳裏に浮かんできました。「ファントムは怪人ではない。ファントムは人間なのだ」というコピーの通り、主人公ファントムはより人間的に描かれていました。エリックと言う名前もちゃんとあり、社会を恨む狂気的な性格よりも、自分の顔の醜さを恥じている気弱な部分が印象に残りました。
 ファントムの出生の秘密や、ファントムと父親の対面など『オペラ座の怪人』には無い興味深いエピソードもありましたが、物語はいまひとつでした。物語の終局に向かう力が、いまひとつ足りないように感じました。
  ミュージカル初挑戦という大沢たかおの声ですが、なんだか疲れがたまっているような気迫に欠ける歌声でした。初挑戦のミュージカルで発声が上手に出来なくて、のどを酷使しているのではないかと心配します。一緒に観た家内も大沢たかおの歌声は疲れた声に聞こえたと言っていました。あと1週間ほど、頑張り通せるのでしょうか。
 クリスティーヌの徳永えりは、その無垢な役柄に適した高域の美しい歌声でした。かわいらしい魅力的なクリスティーヌを演じていました。しかし、物語の中では、その純真さゆえにファントム=エリックを深く傷つけてしまいます。実は、一番の悪者はクリスティーヌなのかもしれません。
 カルロッタの大西ユカリも、存在感のある、良い演技でした。歌も力強く訴えかける歌声が秀逸でした。
  全体として100点満点の60点。ぎりぎり合格ラインでしょうか。同じ配役で再演されるとしたら、もう観に行く気にはなれないかもしれないです。
  カーテンコールでは、出演者が順に舞台に出てあいさつして、一番最後に大沢たかおが出てきた途端に、最前列のほうからバラバラと立ち上がりスタンディングオベーションがおきました。最初の大沢たかおの挨拶のときだけは、私も付き合って立ち上がりましたが、再び、三度と大沢たかおが出てきたときは、立ち上がりませんでした。クロークに預けなかったため膝の上に乗せていた上着が、立ち上がるには邪魔だったこともありますが、感動イマイチなのに偽りのスタンディングオベーションをすることも無いかなと思ってしまいました。想像するに、大沢たかおのファンの方が多かったのではないでしょうか。
青山劇場・1階N列26番 上演時間は予定時間で1幕1時間20分、15分休憩、2幕1時間20分。トータルで2時間55分の予定で、ほぼ予定通りに終演しました。プログラムは2000円です。その他グッズの販売もあったようです。クロークは地下1階ロビーの端にありました。
ファントム』 2008年2月16日13時開演・青山劇場
脚本:アーサー・コピット/作詞・作曲:モーリー・イェストン/上演台本・演出:鈴木勝秀
出演
大沢たかお徳永えり大西ユカリ伊藤ヨタロウパク・トンハ/HISATO/中村まこと/永島克/コング桑田阿部よしつぐ*角川裕明*金澤博/田崎悠人/田村雄一中井智彦*/荒木里佳/稲田みづ紀*浦壁多恵*杵鞭麻衣**/金城尚美/山本悠記子

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2007年11月23日 (金)

『ウーマン・イン・ホワイト』 笹本玲奈・神田沙也加・別所哲也

 青山劇場でミュージカル『ウーマン・イン・ホワイト』を観てきました。
 事前の予備知識はほとんど無しに観に行ったので、主役は別所哲也なのかと思っていましたが、主役は笹本玲奈のようでした。笹本玲奈はほとんど舞台上に出ずっぱりでした。
 笹本玲奈は堂々としていて30代ぐらいの年齢の大人っぽい雰囲気を演じていました。最初に舞台に現れたとき、誰だかわかりませんでした。とても22歳の女の子とは思えない落ち着きのある女性を演じていました。笹本玲奈の役は舞台にひとり立ってソロで歌う曲がたくさんあって、例えるならレ・ミゼラブルのエポニーヌの『オン・マイ・オウン』が5回くらいあるようなものです!?  
 笹本玲奈の妹役の神田沙也加も予想外に上手に歌っていました。ときおり松田聖子のような歌声を出していました。親娘は似るものですね。
 神田沙也加を交えての3重唱も何度もありましたがきれいにハモっていました。
 別所哲也はレ・ミゼラブルでしか見たことなかったので若者役の歌声は初めて聞きましたが、とても良い声で、聞いていて気持ち良いです。 今日の別所哲也の役は貧乏画家で、お金持ちの姉妹(笹本玲奈が姉で、神田沙也加が妹)に絵を教えに来る家庭教師の役でした。姉妹はともに、別所哲也演じる家庭教師に恋をしますが、別所哲也は妹の方を愛するようになります。しかし、妹には亡くなった父親の決めた「いいなずけ」がいると、姉は別所哲也と神田沙也加の仲を裂いてしまいます。そんな若々しい純粋な恋をする青年の役でも、そつなく違和感無くこなす別所哲也は力量があるのだと思います。
 神田沙也加も立派でしたよ。高音のファルセットの切り替えも上手だったし、歌が破綻する事も無かったです。
 今日の『ウーマン・イン・ホワイト』は、オペラ座の怪人やキャッツの作曲家の、アンドリュー・ロイド=ウェーバーの作曲で、曲が良いとの前評判でしたが、それほど耳に残る曲はなかったかなぁ……。ストーリーが良かったので、劇として面白かったです。サスペンス物で、最後まで謎が解けずに観客の興味をひきつけます。たぶん2〜3年のうちに再演されるのではないかと期待します。

出 演
マリアン・ハルカム笹本玲奈ローラ・フェアリー神田沙也加ウォルター・ハートライト別所哲也
パージヴァル・グライド卿石川禅謎の白いドレスの女山本カナコフェアリー氏光枝明彦
フォスコ伯爵上條恒彦 
板垣辰治岩田元大野博越智則秀香取新一神田恭兵
斉藤直樹俵和也早川正原慎一郎家塚敦子池谷京子
今泉由香杵鞭麻衣史桜鈴木結加里ちあきしん福富美幸
南智子斉藤瑛梨寿 

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2006年10月 7日 (土)

『奇跡の人』 石原さとみ/田畑智子

『奇跡の人』 青山劇場で石原さとみ・田畑智子主演の『奇跡の人』を観て来ました。
 石原さとみも田畑智子も私の趣味にジャストミートです。単純にミーハー心からチケットを取りました。
 開場を待つ行列に並ぶ人を眺めて見ても、私と同じようなミーハー心から観に来ているのではないかと思える、若い男の子たちがたくさん並んでいたように感じました。
 15分休憩と10分休憩の2階の休憩をはさんだ3幕構成。緞帳は無く、暗転で始まり暗転で終わります。
 まずはミーハー的感想を述べれば、石原さとみはかわいかったです。6~7歳の幼女を演じるのですから、お人形さんのように足を投げ出してちょこんと座ったりしているのは、とても愛くるしい。セリフはうめき声や叫び声、言葉にならない声ばかりで、演技が上手いのか下手なのか判別付きません。もしかしたら、初舞台向きなのかも知れないなどと考えたのですが、素人考えでしょうか。
 田畑智子も魅力的でした。役柄的には、もう少し頑固で、愛想の無い役柄なのかもしれませんが、とても愛らしい主人公でした。
 今日の舞台で、最も存在感を放っていると思ったのは、ヘレン・ケラーの母親役を演じた小島聖でした。富裕階層の若き母親を、好演していました。実は2幕にはいるまで、誰が演じているのか気が付きませんでした。私の持っていた小島聖のイメージとはまったく違ったキャラクターを演じていました。素晴らしかったです。
 田畑智子演じるサリヴァン先生は、いまひとつ深みが無い演技でした。アニー・サリヴァンの過去の重み、苦しみなどが、少ぉし表層的でした。途切れることなく続くセリフも、心がこもっていない、ただの早口言葉のように感じることもありました。今日でまだ、公演開始から4日目。これから先、セリフまわしもこなれて来るのかもしれませんが。
 山崎裕太がヘレンケラーの兄、血のつながらない異母兄を演じていました。子役の頃の彼の顔が脳裏にちらつきました。父親と上手く接する事が出来ない、屈折した青年を演じていました。どこが悪かったのか具体的には指摘できませんが、父親と上手くつきあえないもどかしさが、いまひとつ伝わってきませんでした。そもそも、昔ながらの権威ある父親というものに、私自身のイマジネーションが付いていかなかったようにも思いました。反抗すべき権威としての父親像が、舞台からは見えてこなかったと言えるのかもしれません。
 今まで何回も再演されてきた『奇跡の人』で、長らくサリヴァン役を演じていたのは大竹しのぶでした。大竹しのぶの演じるサリヴァン先生を見たことは無いのですが、とても良く想像できるように思いました。きっと、田畑智子よりも、存在感があっただろうなぁと。
 芝居はほぼ時間通り、予定時刻から10分と遅れずに終わりました。アドリブやハプニングらしきものも特になく、キレイに終わりました。カーテンコールも短く、主演のふたりも何かしゃべる事もなく終わりました。


『奇跡の人』
作:ウィリアム・ギブソン・翻訳:常田景子・演出:鈴木裕美
出演:石原さとみ、田畑智子、小島聖、山崎裕太、歌川椎子、大鷹明良、鷲尾真知子、梨本謙次郎、他。
劇場:青山劇場

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2005年5月29日 (日)

企画ユニット「地球ゴージャス」公演 『クラウディア』

クラウディア 地球ゴージャス『クラウディア』、5月29日の昼の回を観てきました。
 前半1幕が終わるまで、何がなんだか良くわからず、「これは、『はずれ』だったかなぁ……」という予感が走りました。時代背景も、状況も、いまひとつ現実感が無く、おまけにコーラスは全然何を歌っているのかわからず、話が良くわからないような状況でした。
 ところが、休憩があけて、2幕に入ると、霧が晴れていくように、1幕の「状況説明」が効いて来て、現実から時空を超えた舞台に急にリアリティを感じて引き込まれていきました。中心となるテーマが見えてきて、「文学的」主題も、おぼろげながら見えてきました。
 「愛」というものが無い世界。その世界の中で、刀剣による戦いに明け暮れる二つの対立するクニ。その中で、「愛」に目覚め、まわりとの違和感を覚えていく主人公。そんなストーリーが展開されます。
 ヒロインのクラウディアを演じた工藤夕貴が好演でした。まず、舞台用の発声が出来ているからか、普段テレビで見ている工藤夕貴の声とは、まったく違っていて、驚きました。オペラグラスで何度も確認して、工藤夕貴の声なんだと改めて認識するほどでした。加えて、歌が上手かった。この舞台のどの役者より上手に、一番上手に感じました。岸谷五朗も、寺脇康文も、ミュージカルの歌としては、イマイチでした。
 コーラスは、ハーモニーにはなっていませんでした。(^^;
 ストーリーは、2幕後半、どんどん破滅へと向かっていきます。結末が予想できずに、ひきつけられました。
 大団円に向かうドラマの盛り上がりが、理屈ぬきで感動をわき起こしました。上手く言葉に出来ない、言葉を超えたところで、何かを感じたような気がします。この感動に言葉を与えて解析するには、もうしばらく時間がかかりそうです。いつしか、目から涙があふれていました。
 座席がQ列という会場内の後ろの方で、オペラグラスを使わないと役者の表情が読み取れないぐらいの場所だったもので、全体的に舞台が遠く感じ、また大きな舞台にもかかわらず、小さく感じました。オペラグラスで観た、「龍の子」役の風間俊介の、鬼気迫る表情が秀逸でした。もう少し前の席で、オペラグラスを使わなくても良く見えるところだと、感想ももう少しよくなっていたかもしれません。
クラウディア・中学校の卒業アルバムのような装丁の立派なプログラム・パンフレット 舞台の演出的には、「想定の範囲内」(^^;でした。踊り、ダンスも、特に目新しさは感じられませんでした。タップダンスを取り入れたり、インドネシアの民俗音楽ケチャの要素を取り入れたりと、いろいろな試みは取り入れられていましたが、それ自体は、特別に効果をあげていた感はありませんでした。
 また、これも舞台から遠めの席だったためか、踊りに力強さが感じられませんでした。雄々しさとか、荒々しさが、いまひとつ物足りなく感じました。
 脚本の物語について。「愛」の無い世界で、どのように「憎しみ」が発生し、二つのクニが戦いを続けていくのか、そのへんの描写が物足りなかったです。二つのクニの憎しみの深さのようなものが、表現できていなかったのも、前半の1幕が物足りなかった原因のひとつでしょう。
 衣装で二つのクニの違いを現すなどの演出があれば、もっとわかりやすかったのではないかと思います。たとえば、赤い衣装と青い衣装というような色で分けるとか。
 「ブンガク」的に深みのある主題で、いろいろと考えてみるには面白い物語だったと思います。

 もう一度、観てみたい、そう思いました。楽しめました。

チケット

■Keep One Heart:クラウディア
■ウリブログ:泣きっぱなし・・・。
■三十路カウントダウン:ミュージカル『クライディア』から得たもの
■きままな戯言:クラウディア
観劇当日のモブログ
小田急線・町田駅行列
忠犬ハチ公小田急ロマンスカー
青山劇場到着
昼間っから……VIE DE FRANCE
サーロインステーキ丼ユニクロ
ピリ辛鶏とたっぷり野菜・鍋焼きスープかけご飯

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